私たちは「デザイン」を通じて医療機関単体に留まらずに、患者さん一人ひとりの体験(Experience)を向上し、そして地域の課題解決ができると信じています。
もちろん、医療課題もその課題に取り組む人材も地域ごとに異なります。地域ごとに独自性を出しながら、医療機関、介護機関、行政、民間企業、教育機関が効果的に関わりながら、医療課題をクリエイティブに解決していく。そのような社会をつくりたいと本気で考えています。
そのためには、まず、私たちが縁(ゆかり)のある地域を「医療先進地域」にできるように。その地域ですでに取り組まれてきた人たちと協力しながら「ロールモデル」をつくっていくこと。
そして、そこでのプロセスやノウハウを展開可能、持続可能なものとして仕組み化していくことが重要だと考えます。
私たちがここで定義する「デザイン」は、グラフィックやITサービス、プロダクトなどを機能的かつ美しく仕上げていくことだけではなく、デザインを事業戦略の一部と捉え、観察・ヒアリング→課題設定→戦略立案→プレゼンテーション→コミュニティ形成→活動の可視化(記録のデザイン)のサイクルを通じて、社会の課題、問題を解決していく思考と行為全体を指します。
持続可能なものにする一つの指標として、2025年に大学に「医療デザイン専攻」をつくることを構想しています。
医療とデザイン、両方を理解した専門的なデザイナーが増えていくことが、これから高齢化社会を迎える日本をRe-Designすることになるのはもちろん、一人でも多くの人が医療デザインを通して、働きがいを感じる社会にしたいのです。
たとえ、病気持ちであっても。
たとえ、社会的弱者と扱われても。
たとえ、短い人生の大半が入院生活だったとしても。
生きている歓びを体験できる社会。
人から必要とされていることを体感できる社会。
生まれてきてよかった。生きててよかった。
そう心から思える社会をつくることができたら、私たち自身もいつか死ぬときに、生きてきた歓びに満たされていることでしょう。
そんな世の中を皆さんと一緒に実現できると信じています。